9月・10月の「あか」の染めは紅花がテーマでした。
やっと過ごしやすくなってきたかと思えば大雨予報というぐずついた空模様でしたが、そんな中染めた紅花の色は、鉛色の雲とのコントラストでひときわ明るく輝いていたように思います。
ご多用の中ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。



一汐ごとに、柔らかな薄紅から生き生きとしたピンクへ変化していく紅花の色。
ストールを染める皆様の手元を見守りながら、なんて清らかな色なのだろうかと改めて驚きました。
どこか宙に浮いているかのような、天上から射す光のような……
唯一無二の、紅花にしか出せない色彩です。
このピンクを幾度も重ね染めした紅色も、やはり他の染料では出せない独特の輝きを持つ「あか」となります。
高価で手間がかかり、(他の染料に比べれば)退色しやすい紅花ですが、その魅力に心奪われた古人の気持ちがよく分かります。



ワークショップ中には、会場の澤田写真館さん(https://www.sawadastudio.com/ )のご厚意で、紅花を使った口紅(いわゆる「小町紅」)も見せていただきました。
高価な紅花をふんだんに使用した小町紅は、江戸の女性憧れの化粧品だったそう。
特に、紅を塗り重ねて緑色に発色させる「笹紅」という化粧法は、その玉虫色の輝きの美しさから短期間ではあるものの大流行したそうです。
見せていただいた小町紅も、お猪口に塗り重ねられた紅が緑に発色しており、まるで宝石のような美しさでした。
様々な角度から紅花の「あか」の魅力に触れる、そんなワークショップとなりました。


「あか」をめぐる草木染めワークショップはいよいよ最後の染料へ。
11月8日(土)、12月13日(土)は「蘇芳(すおう)」を染めます。
茜があたたかな「あか」、紅花が清らかな「あか」とすれば、蘇芳は燃えるような「あか」。
深く情熱的な蘇芳の色をぜひご体験ください。


*草木の色のものがたり-「あか」のお話しと草木染めワークショップ
https://20250712red.peatix.com